宇宙探査ニュースに出てくる英単語を3つずつ紹介していく、【宇宙探査「○○」に関する英単語3選!!!】シリーズ。
今回は宇宙探査「Europa Clipper打上げ!重要ミッション始まる」に関するニュースの英単語です。
昨今宇宙探査の進歩は目覚ましいものがあり、日々宇宙に関するニュースから目が離せません。
最新の宇宙探査の情報は英語での記事はとても豊富ですし、最新の情報が揃っています。
宇宙探査に関する英単語を覚えて、最新の情報をいち早くゲットしましょう。
こんにちは!チュウです。
10月14日にエウロパ・クリッパーがファルコン・ヘビーで打上げられ、無事木星の氷の衛星エウロパへ向けた軌道にのったね。
こんにちは!ルナです。
当初10月11日の予定だったけど、ハリケーン「ハミルトン」の影響で延期されたのよね。
そうだね。ただ、ハリケーンだけでなくいろいろあってやっと打上げられたんだ。
当初打上げはNASAのSLSロケットで打上げる予定だったり、主導がNASAから欧州宇宙機関(ESA)になり他の計画になったり、探査対象が変ったり、耐久性の問題があったりなどなど。
へぇ~。長い道のりがあったのね。
さて、エウロパの地下海ってどんななんだろうね。
今回は、そんな宇宙探査ニュースからの次の3つの英単語よ。
- trajectory
- extraterrestrial
- solar array
宇宙英単語①:trajectory
軌道
「弾道」って意味もあるよ。
“orbit” も「軌道」よね。
“orbit” は衛星などのようにある周りを周回する軌道を表し、
”trajectory” はA地点からB地点まで向かう道筋の軌道を表すんだ。
・例文
Europa Clipper was deployed on an interplanetary trajectory, just as planned.
・翻訳
エウロパ・クリッパーは予定通り惑星間軌道に展開された。
・他の単語
interplanetary =[形]惑星間の
NASAのエウロパ・クリッパー(Europa Clipper)は10月14日月曜日、午後12時5分(東部夏時間)にファルコン・ヘビーによってケネディ宇宙センターLC-39から打上げられ、木星の衛星エウロパを目指す29億kmの旅が始まりました。
ファルコン・ヘビーはマリーンエンジン(Merlin engines)9基を備えたブースター3本で構成され、計27基で打上げられます。サイドブースターは数回使用したもので、センターブースターは初使用。
今回は木星への軌道に乗せるために最大出力を必要とし、推進剤を全て使い切るためブースターは使い捨てとなります。1段目ブースターの使い切り打上げは、ファルコン・ヘビーでは初めてです。
打上げから3分後、サイドブースターが停止し分離。4分後、コアブースターが2段目と分離。地球の軌道を惰性飛行し、打上げから62分後、探査機は惑星間軌道に展開されました。
その後、探査機はソーラーパネルを展開し、地球の管制塔との通信も確立できました。
5年半かけてエウロパを目指しますが、途中2回フライバイを行います。先ずは、2025年2月に火星にて行い、続いて、2026年12月に地球にて行う予定です。エウロパへの到着は2030年4月を予定しています。
当初、NASAのSLSロケットで木星を目指す計画でしたが、開発の遅れで断念しました。SLSはパワーがあるため、3年以内で木星にたどり着けるはずでした。
宇宙英単語②:extraterrestrial
地球外の
あの映画「E.T.」はこの単語の略だったよね。
Extra-Terrestrial
その通り。
「外の」を意味する ”extra-” と、「地球の」を意味の ”terrestrial” との組み合わせだね。
”terrestrial”はラテン語の”terra” が語源で「地球」や「地面」を指す言葉だよ。
“territory”(領土)も”terra”が語源だったわね。
・例文
NASA’s Galileo investigations allowed scientists to make discoveries regarding Europa’s subsurface ocean potential for harboring microbial extraterrestrial life.
・翻訳
NASAのガリレオによる調査により、科学者はエウロパの地下海に地球外微生物の生命が宿っている可能性があることを発見することができました。
・他の単語
subsurface =[形]地下の
harboring =[形]内に持つ(宿っている)、港
microbial =[名]微生物
エウロパ・クリッパーは、木星の衛星エウロパ(Europa)を探査し、その地下の海が居住可能かどうかを判断するNASAのミッションです。
衛星エウロパ(Europa)は、木星の第2衛星で、4つあるガリレオ衛星のひとつです。その中では一番小さく地球の月より少し小さいくらい。凍った外殻に覆われていてその下に塩分を含んだ液体の水の海があると考えられています。
エウロパの表面温度は平均-160℃ですが、そこで水が液体として存在できるのは、潮汐力による変形で熱が発生しているためと言われています。更に、塩分も一役買っていると考えられます。
2016年には、ハッブル望遠鏡で表面から水蒸気が噴き出しているのが観測されています。これは、火山活動によって引き起こされていると考えられており、これも生命が宿れる可能性を示しています。
エウロパはガリレオ衛星のなかで木星から2番目に近く、木星の強力な磁場の磁気圏の奥深くにあります。その為、荷電粒子はプラズマ状態で存在しているとても過酷な環境です。
ガリレオ衛星
ガリレオ・ガリレイが観測して発見した木星の4つの衛星。
イオ(Ⅰ)、二エウロパ(Ⅱ)、ガニメテ(Ⅲ)、カリスト(Ⅳ)
宇宙英単語③:solar array
太陽電池アレイ
「太陽パネル」とも訳せるね。
“array” は「配列」とか「勢ぞろい」って意味よね。
Clipper deployed its enormous solar arrays on schedule.
・翻訳
クリッパーは予定道り巨大な太陽電池アレイを展開した。
・他の単語
deploy =[動]展開する
enormous =[名]巨大な
エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)は、NASAの惑星探査ミッションの中で最大となります。重さ6000kg、太陽光パネルを開いた時の大きさは30mにもなります。(開発にも50億ドルかかっている)
太陽光パネルは一つ14mもある巨大なもので、これは木星が太陽と地球の距離の5倍離れた場所で、太陽光は1/25しかないためです。
可視光カメラ、熱画像カメラ、複数の分光計、磁気環境を調べる装置など9つの科学機器が備わっています。これらによって以下の調査を試みます。
・氷の殻の厚さを調べ、海と表面の相互作用
・海の組成と生命に必要な要素があるか
・表面の形成過程の研究と、地殻プレートや水柱などの活動
探査機が木星に到着すると、6~8時間の投入燃焼を行い推進剤の50~60%を使いきります。これにより、木星を楕円に周回する軌道に入ります。
木星の楕円軌道を周回する間に45回ほどエウロパに接近して観測を行います。エウロパの軌道を回らないのは、放射線環境が強烈過ぎて探査機故障のリスクを避けるためです。データ送信は遠ざかった低放射線環境のにて行います。
最初のエウロパへのフライバイは2031年春になってからです。5月になってから数十回フライバイをして木星に面していない半球を調査します。最大25kmまで近づきます。
2033年5月からは、フライバイにて木星に面した半球を調査します。そして2034年9月にミッション終了を迎えます。
ミッションの最後は、衛星ガニメデ(Ganymede)に衝突させられ廃棄します。ガニメデは生命が存在する可能性が低い衛星で地球の微生物に汚染されるリスクを減らす目的があります。
宇宙探査「Europa Clipper打上げ!重要ミッション始まる」に関するetc
Europa について
発見:1610年1月8日
発見者:ガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei)
分類:木星の衛星
軌道の種類:ガリレオ衛星
別名:Jupiter II
直径:3,202.739 ± 0.009 km(赤道面)
表面重力:0.135 G
自転周期: 3日 13時間 13.7分
表面温度:平均-170℃(最低:-223)(最高:-148)
大気圧:0.1 µPa
Europa Clipper について
旧名:Euroa Multipul Flyby Mission
任務:エウロパの調査
オペレーター:NASA
任務期間:移動 5.5年、探査 4年
製造:ジェット推進研究所
重量:打上げ時 6,065 kg (乾燥重量:3.241kg)
寸法:高さ 6m、30m(太陽電池アレイ展開含む)
打上げ日時:2024年10月14日 12:06 p.m. EDT
打上げロケット:ファルコン・ヘビー・ブロック5(Falcon Heavy Block 5)
まとめ
英語 | 宇宙関連の意味 | その他の意味 |
---|---|---|
trajectory | 軌道 | 弾道 |
extraterrestrial | 地球外 | |
solar array | 太陽電池アレイ |